10月も終わりが近づいてきた今日この頃、僕はこれまでになく“季節”というものを強く意識するようになっている。
夏が終われば秋が来て、冬の先には春が訪れる。
そんな当たり前のこと。
当たり前のこと過ぎて、今まで意識することすらなく過ごしてきた季節の移り変わり。
その移り変わりが、今の僕にとってはとても新鮮であり、貴重で、かけがえのない事となっている。
グリーンやライムイエロー、深い赤、様々な色彩で楽しませてくれる水槽を飛び出し、荒れ放題だった庭に手を加えはじめてから半年が経過した僕にとって、秋は南天が鮮やかな赤色で心を暖かくしてくれ、花が咲くことも知らずに植え付けたマホニアコンフューサの花に訪れた1匹の蜜蜂は、生命の無言の繋がりを教えてくれ、あれほどこまめに刈り続けた青々とした芝が徐々にその彩度を落としていく様子は僕に冬が来ることを伝えてくれている。
それらの生き物から季節の移り変わりを感じながら、このところの僕は少し長めの休みを過ごしている。
数日前に突然の発熱と腹痛に教われ、感染症の疑いからなかなか診察を受けることができなかった僕に最終的に与えられた病名は‘急性肝炎’だった。
診断に至った時の肝機能の数値が、あれだけ浴びるほど酒を飲み続けていた頃の3倍をあっさりと越えていたのを目にしたときは少し複雑な気持ちになったが、絶対安静と言うことでぽっかりと僕の時間に何者にも追われることのない空白が与えられた。
そんな経緯で傍らで丸くなっている2匹の猫と一緒にベットの中で久しぶりにキーボードを叩いている。
断酒を始めて1年半が経ち、その間色々なことに取りつかれたかのように没頭し、そしてアルコールとは関係なく肝臓が悲鳴をあげ、色々なことを見つめ直す時間が与えられた。
この時間がいつか欠けがえのない時間であったと振り替えることができるよう、季節の移ろいを感じながらしばらくのんびりと過ごしたいと思う。
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