今年はとても、春が待ち遠しい。
冬の間に剪定したモミジが、
イメージ通りに芽を吹く事が。
すっかり赤くなったリシマキアが、
また鮮やかなライムグリーンの姿になる事が。
ひと月前に買った時からずっと土しか見えないホスタのポットから、
若葉がでてくる事が。
見切り品で買ってきたディコンドラシルバーフォールズが、
再び顔を出す事が。
去年の今くらいの時期には、名前も知らなかったそれらの生き物たちが、暖かな陽気と共に昨年まで荒れ放題だった家の庭と僕の心に色彩を与えてくれるであろう春が、今はとても待ち遠しい。
子供の頃、今よりたくさん雪が降っていた頃、地面を白く覆い隠していた雪の所々から、顔を出したふきのとうを見つけることにとてもワクワクした事を思い出す。
そのふきのとうを両手いっぱいに摘んで持ち帰ると、いつも母は喜んでくれた。
そのふきのとうが入った母の作った味噌汁は、苦くて正直あまり好きでは無かったけれど、僕は変わらずふきのとうを見つけると、いつもワクワクした気持ちになった。
今の僕が春を待つ気持ちは、その時のワクワクに似ている。
これまでいつの間にか訪れて、いつの間にか去っていった春が、今年はとても待ち遠しい。