断酒後没頭したものをこれまでいくつか取り上げてきたけれど、それに付随して断酒後始めたことがいくつかある。
基本的には酒浸りの時は飲むこと以外、とにかく億劫であり、なにか新しいことを始めるなんて想像もつかなかったけれど、一つ一つのことに没頭していくにつれ、自然と新しいことに結び付いていった気がする。
例えて言うなら、アクアリウムに没頭していくにつれ、ある一定以上の性能を持ったライトが欲しくなった。アクアリウムに縁のない方にはピンと来ないことだと思うけれど、綺麗に水草を育てるためには高光量のライトは必須となる。
通常水槽を照らしているライトの目的は、水槽内を綺麗にライトアップするイメージが強いと思うけれど、水草は光合成をすることによって成長するので、そのためには強い光を当てることができるライトは二酸化炭素同様にとても大切な役割を持っている。
そんなことをアクアリウムに没頭していくなかで知った僕は、ネットでひたすら照明器具を選び続けた。
そしていざ欲しい照明器具が決まったときにひとつの壁にぶち当たることになる。
それは、その商品が僕が住む町のお店には置いていない、通常ネットで購入する商品だったということ。
恐らく、今の時代ネットでものを買うと言うことは、とても当たり前のことだと思うけれど、その時まで僕は何かをネットで購入すると言う経験は皆無だった。
何を買うにしてもお店に行き、売り切れていたり、取り扱っていないときはお店をはしごし見つかるまで探す。
それを当然のことのように考えていた。
だから、いざ欲しいものがネットでしか買えないと言う事実を目の当たりにしたとき、僕は混乱した。
ネットでものを買うと言うことはどういうことなんだろう?
まずなにから手をつければよいのだろう?
クレジットカードは持っていなくてもよいのだろうか?(クレジットカードに関しては今に至るまでまだ手にしたことはなく、ひたすら現金払いのみしか経験してこなかったが、ある意味酒浸りの時にクレジットカードを持っていなくて救われたと今では思っている)
そんなわからないことだらけの僕だったけれど、コンビニ払いという方法を利用すればネットで、ものを購入できることを知る(こう言った情報も飲んでいるときは面倒で、決してそこまでの情報にはたどり着けなかっただろう)。
そしてコンビニ払いという方法を知った僕は恐らく、コンビニに押し入る強盗並みにびくびくしながら、一連の作業をコンビニで済ませ、めでたくネットで欲しいものを注文することができた。
その時は賞品が届くのを、まるでサンタクロースを待つ子供のように待ちわびていたのを記憶している。
そのようにして僕はネットショッピングと言う新たなツールを手に入れることができた。
読んでいる方にはそんな大袈裟な、と思われるかもしれないが、僕にとってはとても画期的な買い物方法だった。
これらが僕が断酒後はじめて経験したネットショッピングと言うものであり、その後もネットで欲しいものがすぐに自宅に届くと言うことに魅了され、ちょくちょく利用することになる。
このようにして、アルコールという鎖を外した僕は少しずつ、新しい挑戦を始めることになる。